アクセス解析

2011年8月12日金曜日

書評『リーダーシップでいちばん大切なこと』





『課長の教科書』などのベストセラーを持つ酒井穣さんが2011年3月に出した一冊です。
 
 ●リーダーシップの原点は、常に「自分の価値観を示す」ということ
 ●損得の価値観ではなく、善悪の価値観を示せるかどうかが、リーダーシップのカギ
 ●リーダーシップとは、孤独を受け入れ、ほかの誰でもない、自分自身の人生を誠実に生きる力

 など、リーダーシップのあるべき姿を、「価値観のピラミッド」などの理論を使用して、わかりやすく紹介しています。
 実務者であり、そして最先端のアカデミック理論をキャッチアップし続けている酒井さんの独自の論調は、説得力にあふれています。

 つい先日、ホテレスの取材で酒井さんをインタビューをしました。
 「研修の最前線」というテーマでしたが、話は「ITが作る近未来像」といった方向になりました。
 その話はまるで未来映画を見ているようでしたが、「必ずそうなるんです」というストーリーに説得力があり、実にわくわくする1時間の取材となりました。

 たとえばこんな話です。

「インターネットの本質は、距離の意味を破壊してしまう技術です。よって、まずホテルのコンファレンスルームはいらなくなるでしょう。人が動かなくていい会議需要は、間違いなく減るし、現に減っているでしょう。その時、ホテルは何ができるのか。つまり、確実にやってくる未来のために、自分たちはどこに注力していかなければならないのかを考え、そのためのイノベーションをもっと起こすような職場を作っていかなくてはならないのです」(記事はホテレスの9月9日号に掲載します)

 本書の中で、我々が覚悟しなければならない事実が紹介されています。

「これから20年以内に、同じスキルを持った人間は、日本に暮らしていようが、インドに暮らしていようが、ほとんど同じレベルの賃金を得るような社会になる」

 つまり、「一物一価の法則」というものがあり、同じ市場の、同じ商品は、同じ価格で取引されるのです。インターネットの本質が、距離の意味をなくすことであれば、世界が一つの市場になるのです。

 我々は、この意味を深く考え、どうUSPを磨き、どう生きていくかの戦略を持つべきでしょう。
 本書はそれを考える良いヒントになります。 


リーダーシップでいちばん大切なこと
----------------------------------------------------------------
<オススメ度> ★★★★
 
 (評価の見方)
   ★★★★★・・・一年に出遭うか出遭わないかの最高傑作
   ★★★★ ・・・ぜひ、みなさんにも読んでほしい一冊
   ★★★  ・・・おススメ!
   ★★   ・・・まあまあ、おススメ
   ★    ・・・読んで損はない


宿屋大学ホームページへ


0 件のコメント:

コメントを投稿