ホテルマネジメントのビジネススクール「宿屋大学」の代表・近藤寛和が紹介する「ホテリエが読んでおくべき必須書籍」。元・書籍編集者である出版のプロが、ホスピタリティからビジネス、はたまた自己啓発まで、珠玉の一冊を紹介します。 また、ジャンル別に探すこともできますので、お目当ての本を見つけるデータベースとしてもご活用ください。
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2011年9月21日水曜日
書評 『小さな会社・儲けのルール―ランチェスター経営7つの成功戦略』
小さな会社・儲けのルール―ランチェスター経営7つの成功戦略 [単行本]
竹田 陽一 , 栢野 克己 (著)
¥ 1,470
単行本: 265ページ
出版社: フォレスト出版 (2002/11)
ISBN-10: 489451138X
ランチェスター戦略というビジネス戦略を御存じでしょうか。
ランチェスター戦略とは、弱者が強者に勝つための戦術のことで、「弱者のとるべき戦略は差別化戦略であり、敵より性能のよい武器を持ち、狭い戦場で、一対一で戦い、接近戦を行ない、力を一点に集中させること」です。つまり、一つの分野に特化することで、総花的に展開している大企業の隙(ニッチ)をねらう戦略です。
『HOTERES』の2011年9月16日号で、私は「独立系宿泊主体型ホテルの生き残り戦略 ~差別化とネットワーク化の考察」という特集を担当しました。宿泊主体型ホテルが単独でやっていくには、差別化と、どこかのネットワークに所属してスケールメリットを享受するという二つの手法があると伝えましたが、その差別化のところで紹介したのが、このランチェスター戦略です。
差別化の方向には二つあります。ビジネスはすべからく「誰(ターゲット)」に「何(商品・サービス)」を提供するかですから、「ターゲットの差別化」、「商品やサービスの差別化」の二つなのですが、その具体的事例を挙げて紹介しました。好評を博していますので、興味のある方はぜひともお目通しください。
http://202.164.246.106/HOTERES2011/2011/09/post_35.html
話が長くなりましたが、このランチェスター戦略の日本における第一人者が竹田陽一氏なのです。
狭いフィールド、自分の強みを生かせるフィールドを選択したら、とことん訴求してナンバーワンを目指す(選択と集中)。その分野だったらどこにも負けない存在になり、まねされない、まねできない存在になってしまう。
思えば、オータパブリケイションズ時代のホテリエ事業部も、今の宿屋大学も、この戦略でやっているのですが、私のような大手ではない方にはとても参考になる考え方です。
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<オススメ度> ★★★★★
(評価の見方)
★★★★★・・・一年に出遭うか出遭わないかの最高傑作
★★★★ ・・・ぜひ、みなさんにも読んでほしい一冊
★★★ ・・・おススメ!
★★ ・・・まあまあ、おススメ
★ ・・・読んで損はない
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2011年9月11日日曜日
書評 『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』
【送料無料】ストーリーとしての競争戦略 |
ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件
楠木建
東洋経済新報社
2,940円(税込)
実にしびれる一冊。
内容は秀逸極まりない。文章も美しいです。
ビジネスにおいて、永続的な利益をもたらすものは顧客価値です。
でも、どんなに素晴らしい顧客価値を創造し、顧客に提供しても、おいしいビジネスであればある程、すぐに競合他社にまねされてしまいます。
まねされないで、競争優位性を永続させるにはどうしたらいいか。その理論を紹介しています。
かなりのボリュームです。
500ページ以上。しかも、どのページもとっても大事なことが書かれていますから、斜め読みできません。
じっくり読めば一カ月はかかります。
ストーリーとしての競争戦略は、「違い」と「つながり」という二つの戦略の本質のうち、後者に軸足を置いています。競争戦略は、「誰に」、「何を」、「どのように」提供するかについての企業のさまざまな打ち手で構成されています。戦略は競合他社との「ちがい」を作ることです。さまざまな打ち手は他社との違いを作るものでなくてはなりません。さまざまな打ち手を互いに結び付け、顧客へのユニークな価値提供とその結果として生まれる利益に向かって駆動していく論理です。
私も、本書をマニュアルにして、筋がよく、太く長く強い宿屋大学のシナリオを描きたいと思います。
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<オススメ度> ★★★★★
(評価の見方)
★★★★★・・・一年に出遭うか出遭わないかの最高傑作
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2011年9月5日月曜日
書評『お客様の感動を設計する ハッピーエンドのつくり方』
お客様の感動を設計する ハッピーエンドのつくり方
平野 秀典
価格: ¥ 1,260
数ある平野秀典さんの著作の中で、私が一番好きな一冊。
珠玉のフレーズがオンパレードです。
どんなシーンにも必ずハッピーエンドを!
演劇の技と思考法をビジネスに活かし、会社の業績を驚異的にV字回復させた伝説のメソッド「ドラマティックマーケティング」の神髄を凝縮した「商売繁盛の方程式」です。
ハッピーエンドから逆算する感動設計のヒント満載です。
●感動は与えるものではなく、提供するもの。そして共有するものです。
●その商品を最高に気持ち良く使っているイメージ(=ハッピーエンドシーン)を
共有できたとき、お客様とは「共演者」の関係になる
●二流のマジシャンは、マジックを見せよとし、一流のマジシャンは、
マジックをお客さまと一緒に創り上げる
●記憶に残る仕事をすることが、記録に残る仕事を生み出していきます。
●お客さまを魅惑する「ブランド」には、情熱という「プライド」が、もれなくついている。
●etc..
お客さまとは向き合うのではなく、同じ方向を向いて、同じハッピーを
目指すパートナーであるべきというのが、私の考え方、スタンスですが、これは
おそらく、平野さんから教わったことなのだと思います。
ハッピーエンドという感動をお客さまと一緒に作ること。
これこそが、ホスピタリティなのではないでしょうか。
平野さんにはサービスパーソンが読むべき名著がたくさんありますが、
まずはこれをお勧めします。
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<オススメ度> ★★★★★
(評価の見方)
★★★★★・・・一年に出遭うか出遭わないかの最高傑作
★★★★ ・・・ぜひ、みなさんにも読んでほしい一冊
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書評『ホテルのとんがりマーケティング』
【送料無料】ホテルのとんがりマ-ケティング |
ホテルのとんがりマ-ケティング すぐに使える70の実践テクニック
中谷彰宏
オータパブリケイションズ
1,680円(税込)
中谷彰宏 × ホテル × マーケティング
こういう本を作ってみたくて、2009年に出版した本です。
コトラーやポーターのマーケティング理論といった学術的なものではなく、中谷さんならではの視点で、わかりやすく差別化の考え方や実例を綴った一冊。
万人にウケようとするものは、誰にもウケない。
競争が少なかった時代は、「万人ウケ」というやり方が正解でした。
いまホテルのマーケティングに求められている戦略は、とんがりをつくることです。
とんがりで差別化し、そのとんがりに関心のあるお客さまが集まる。
それによって単価を上げ、売り上げを上げていくことが正しいやり方なのです。
●松をつくると、竹が売れる
●スペシャルな高価格商品を作ると、利益率の高い低価格商品が売れる
●とんがりの「ついで消費」で売上が上がる
●今あるもので、とんがりをつくる
●限定からとんがりがうまれる
などなど。
70のヒントを紹介しています。
お金をかけずに、すぐに実践できる「とんがり戦略」の具体例です。
アマゾンで買いたい人は↓
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