【送料無料】鯨を釣る男 |
定価:1575円
頁数: 237ページ
出版社:オータパブリケイションズ
発売日:2006/07
<概要と読みどころ>
先週の土曜日、立教大学で行なわれたシンポジウム「若者の海外旅行
離れ2:若者よ国境を越えよ」というイベントに参加しました。
若年層旅行マーケットが減少している原因を探り、どうしたら増やす
ことができるのかを考える集まりでした。
このシンポジウムやその後の懇親会で多くの学生さんと話をして気付
いたことは、問題は海外旅行の魅力が減少したことではなく、しんどい
けれど成長のために海外旅行をする人が減っていることにあるのではな
いかということです。
「一回きりの人生、全力で生きて何かを成し遂げて死にたい」と考える
若者が減り、自分らしく生き、ささやかな幸せを感じながら一生を終える
ことを望む若者が増えているのです。
観光を学ぶ学生でも、長時間労働しても給与の安い旅行業やホテル業を
避け、9時ー5時で働くOLを選択する人もいました。自己投資よりは、
老後のための貯金を学生のうちからしている人もいます。
自分らしく生き、ささやかな幸せを感じながら一生を終える生き方。
生き方は人それぞれですから私は非難しません。でも、多くの人がこの
ように内向きに生きて、アウトプット(世の中への価値提供)をしなくな
ったら、いまの日本の豊かさは一気に消え、ささやかな幸せすら享受でき
なくなります。国境を乗り越え、世界に出てガツガツやっているアジアの
人たちに席巻されて、日本は一気に経済的支配を受けるのではないかと危
惧します。
日本は、80年代に経済大国として世界に名を轟かせ、大活躍しました。
いまは、一億総老人化状態です。老人には老人なりの、ゆったりとして落
ち着いた生き方があるのかもしれません。だから、「元気な日本を取り戻
そう」というスローガンにはちと違和感を覚えます。「はたして日本が目
指すべき姿は、“元気な国”なのか」と。
日本が目指すべきカタチはどんなのか?
これが、ホテル業界の人材危機と同じくらい今年考えた疑問です。
ホテリエという職業に情熱をささげる若者が減少し、大志を語ってくれる
若者が少なくなった日本を憂うとき、私はいつも、近藤マイク誠氏を思い出
します。米国のホテルで無給の皿洗いからホテルマン人生をスタート。28歳
で、世界に750ものホテルを運営するスターウッドの次長に就任。30歳で部
長、米国ホテル業界でスピード出世をし続けた後、凱旋帰国し、宮崎のシーガ
イアに営業本部長として再建に奔走し、32歳で夭折した伝説のホテリエです。
今回紹介する『鯨を釣る男 天才ホテリエマイク近藤の生涯』は、文字通り
ホテル業界の発展に命をかけたマイク氏の生涯を一冊の本として残したいと
思って私が編集担当者としてかかわり、富田昭次氏に取材・執筆いただいた
ものです。
安穏と、ただ自分の楽しみだけのために生きている若者に、情熱的に生き、
周りの人も燃え上がらせて大きなことを成し遂げようとした、短いけれど濃く
価値の大きなマイク氏の生き方、人生を知ってほしい。ホテルとは、お金だけ
でなない魅力が詰まっている職場であることを知ってほしい。
そう考えて、手前みそながら本書を紹介させていただきました。
マイクさんが動き、語る5分間のフィルムがあります。
シーガイアで執り行われたお別れの会で流れたものです。
http://www.youtube.com/watch?v=mUJefGLtpkI
Tell me what you dream.
マイクさんは、ヴィデオの中で堂々と夢を語っています。
ぜひ、ご覧ください。
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<オススメ度> ★★★★
(評価の見方)
★★★★★・・・一年に出遭うか出遭わないかの最高傑作
★★★★ ・・・ぜひ、みなさんにも読んでほしい一冊
★★★ ・・・おススメ!
★★ ・・・まあまあ、おススメ
★ ・・・読んで損はない
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