【送料無料】〈就活〉廃止論 |
『<就活>廃止論』 佐藤孝治 (著)
定価:777円
単行本:240ページ
出版社: PHP研究所
発売日:2010/1/16
<概要と読みどころ>
企業の採用活動と学生の就職活動を支援するジョブウェブの佐藤孝治さんが
書いた就職活動を考える一冊ですが、立場上、自然と教育のことを考えなければ
ならない私にとって、とてもタイムリーで、思考を深化させる一冊でした。
決してシュウカツだけの話ではなく、日本の教育、雇用などの問題にも踏み込
んだ、本質を突いた意見がまとめられています。
例えば、
●終身雇用と新卒採用は一体だった。 「終身雇用」と「年功序列」そして
「新卒一括採用」の3つが「三種の神器」。最初の二つが崩れているいま、
新卒一括採用という社会習慣も、存在に無理がきている
●これまでは、社会の中において「人を育てる」という機能を企業が引きうけ、
家庭も本人も大学も、「会社に入りさえすればあとは会社がなんとか社会に
貢献できる人に育ててくれる」と思っていた。<中略>ところが、企業は、
「即戦力になるための教育は、もう企業では(できることなら)やりません。
入社前に自分たちですませてきてください。そういう能力を持っている人を
優先的に採用しますよ」と言っているのだ。
つまりは、社会の人材育成機能が構造的な機能不全に陥っている。だれも人材
育成の機能を担っていないのが日本の現状なのですね。
●大学生は、プロになるためのトレーニング不足。暗記我慢大会だけの受験勉強
だけでは、社会で活躍するための能力を育てることはできない。
●多くの学生は「企業の面接を突破して会社に所属するための活動」として就職
活動をするが、そうではなくて「社会で活躍するプロフェッショナルになるた
めの実践的トレーニング」として、シュウカツをとらえると、その学生は見事
にシュウカツ中に成長する
●シュウカツは生まれた時からスタートしている。
実質的なシュウカツを始めるタイミングが「ステップ1」だとすると、その前
の約20年間は、「ステップ0」。ステップ0をどのように歩んできたかで、ス
テップ1のラインに立った時には、歴然とした開きがある。ちょっと磨けば準
備完了になる学生に共通する点は、
1 コミュニケーション能力が高い
2 自分で考え、主体的に動ける
3 これが自分の強みであると明言できるものがある
4 自分なりにこれだけは一生懸命やってきたといえる経験を持っている
●企業が必要とする人材は、「価値を生み出し、利益を上げることに貢献できる人」。
それをさらにぶれいくダウンすると
1 何もないところから価値を作り出せる人
2 その価値を広められる人
3 コストを下げられる人
大前提は、「自分の頭で考え、行動できるかどうか」
教育の使命を集約すると、
1 自分の頭で考え
2 主体的に動ける習慣をつけ
3 コミュニケーション能力を高め
4 これだけは自信があるというものを持たせてあげ
5 人と協働しながら新しい価値を創造していける訓練をする
実に価値のある一冊です。
就職活動なんて関係ないという人も、読むべき一冊かと思います。
----------------------------------------------------------------
<オススメ度> ★★★★☆(4.5という意味です 笑)
(評価の見方)
★★★★★・・・一年に出遭うか出遭わないかの最高傑作
★★★★ ・・・ぜひ、みなさんにも読んでほしい一冊
★★★ ・・・おススメ!
★★ ・・・まあまあ、おススメ
★ ・・・読んで損はない
0 件のコメント:
コメントを投稿